A学生からX学生へ

ライフロング・キンダーガーテン(第1章 創造的な学び)より。

清華大学でもほとんどの学生は、小学生から高校生までの間、優秀な成績を収めていましたし、多くはそのまま精華大学でもAを取り続けていました。陳はそうした学生を「A学生」と呼んでいました。

(中略)

陳は、中国は新たな種類の学生が必要だと力説し、そうした学生を「X学生」と呼びました。彼によれば、X学生とはリスクを負いながら新しいことに挑戦する者たちです。単に教科書に書かれた問題を解決するのではなく、自分自身の問題を定義することを熱望します。最も革新的なアイデアと創造的な新しい方向性を生み出すのはX学生たちなのです。

(中略)

ほとんどの国のほとんどの学校では、学生が自身のアイデア、目標、および戦略を生み出す(X学生になる)ことを助けるよりも、指示とルールに従うように教育する(A学生になる)ことを優先しています。

 

思えば、中高は、クリエイティブななんかをするっていう学校ではないけど、指示とルールに従うように教育する学校ではなかった。むしろ指示もルールもほぼない学校だった。

大学もA学生になることを目指しているやつもいたけど、幸い、僕の周りは、自分なりの価値基準を持っている人が多かったと思う。

ただ、いずれも、「リスクを負いながら新しいことに挑戦する」って感じでもなかったなー。

 

また読み進めたら、いくつか抜粋していきたい。

モンテッソーリ教育の小学生コース

長男が通っている、モンテッソーリ教育の小学生教室(放課後に園で開催してくれている教室)を見学してきました。
卒園生ばかりなので懐かしい!

各自いろんなお仕事(モンテッソーリでは遊びをお仕事と呼びます)をしているのですが、数のお仕事が特に興味深かったです。(撮影可否聞けず、画像なしです)

 

ビーズを使った立方体(3乗)

見たのは7x7x7(7の3乗)をビーズを使って学ぶもの。(たまたま7を見ただけで、他の数字もあります)
7個のビーズがつながった7×1の列、それが7列つながって7×7の正方形、それが7面重なって、7x7x7の立方体。

この教具のビーズが、連なってる感じ。
https://ameblo.jp/montessoritime/entry-12031997934.html

ビーズを並べ、重ね、大きさ比較して、最終的には、ビーズの数を数える(7^3=343まで!)。付き合う先生も根気が必要。。
単純に数を数え上げていくのも、実はすごく重要なトレーニングな気がしました。小1だと結構詰まる。159の次とか。

 

切手割り算

画像がないと伝わらない、、この教具です。
http://www.montemama.com/?pid=19463467

1、10、100、1000のそれぞれのチップを使って、計算をしていきます。うちの息子も同級生も4桁の計算やってました。

足りなくなったら両替して、、と。足し算、引き算、掛け算をやった後だと思いますが、割り算、位取りの概念を実体験化している。

 

少しずつ100%の理解、実体験を積み上げていく

いずれも、数、計算を、抽象的にだけ捉えるのではなく、具象化して、実体を伴った感覚として理解する
講義で学ぶのではなく、体験によって学ぶ。このプロセスって、実はすごく大切だと僕は考えています。

分かったつもりで、単純に数式を覚えていく。理解しきれていない抽象的概念を積み重ねていく。
これは一時的にテストの点は取れるけど、どこかで行き詰まると思います。
優秀だった子が、だんだんついていけなくなり、自信をなくしていく絵が浮かびます。

 

以前、TEDで、「数学で80点だったらどう思う?」というようなトークがありました。

要点は、下記のような感じでした。
80点は素晴らしく思えるが、20%も間違えてる。それで次に進んだら、穴だらけの理解の積み重ねになる。どこかで破綻して当然。
100%の理解を積み重ねていけば、時間はかかるが、ほとんどの子が、虚数やlog、微分積分でも理解できるはずだ。
規定されたレッスンの進捗に従うのではなく、子どもそれぞれのペースで、100%になったら次に進むようにすべき。

確かに、と思いました。

1歩ずつ着実に理解し、具現と抽象を行き来する。それをじわじわ積み重ねていく。問題を焦って一般化して公式に当てはめることを優先しない。演繹的にロジックを積み重ねられる下地を作る。

遠回りに見えるけど、少しだけ長い目で見たら、とても大切なことです。

 

俗っぽいエピソードでいうと、、
僕は大学受験の現役のときに、ひたすら基礎固めしてました(浪人は最初から覚悟してた)。テストはだいたい50点も取れない。
でも、浪人し、基礎固め終わって、少し点を取るための戦略を学んだら、数学はほぼ満点取れるようになりました。
(東大の数学は難しいのでさすがに満点はなかったが、偏差値は高かった)

高いビルを立てるには、しっかりした基礎が重要なのです。

 

 

試行錯誤の機会を考察する

キッズプログラミング教室ArSchool(アルスクール)新橋校で新しい仲間が入校しました。

チャレンジ精神もあり、自主性もあり、レッスンをいい感じにこなしていきました。

 

ただ、もちろん、なかなか苦労するところもあります。プログラミングがほぼはじめて(体験会に1回参加)です。

 

そこを試行錯誤し、自力で理解したときに、「あーそういうことか!」と、すごくいい表情をします。

(解けた瞬間でなく、だいたい解く前にひらめいて、「あ、もしかしてこういうことか!やってみよう!」ってなる、そのときです)

 

で、「学校で優秀と言われている子は、本気で試行錯誤する学びの機会が少ないのでは?」と、ふと思いました。

 

公立の小学校は、トップを上げるというより、ボトムを引き上げる方に重点が置かれているのではないでしょうか。また、そうあるべきだと思います。

うちの子は公立ではないので、数回見学しただけですが、例えば算数は複数のクラスに分けてたり、僕の小学生の頃よりも色々工夫されている。
限られた条件下で最適解を見つけようと努力されているのはすごいと思います。

とはいえ、一般的な小学生のレッスンをかんたんと感じる子はそれなりにいるはずです。

 

優秀で、問題があっさり解けちゃうがゆえに、真剣に問題と取り組み時間が全然ないのだとしたら、なんかもったいないなぁ、と漠然と思いました。

もちろんArSchoolではそういう場を提供できますが、大半の時間を過ごす学校かご家庭でも、いい感じにできないかな。