チームラボについて考えた

7/15の情熱大陸で、チームラボ代表の猪子が特集された。(呼び捨て失礼。。。なんか、「さん」つけれないんだよねw)
朝生やTVタックルの猪子はまるで興味がなかった。でも情熱大陸ならメディアの変なバイアスがあまりかからなそうなので、録画して見ました。

そこで、退職以来、めんどくさくて考えてなかったんだが、チームラボについてちょっと考えてみたよ。
僕はチームラボを退職して丸6年になるし、その間も進化し続けているだろうから、良くも悪くも現状と違うかも知れない。ま、それは承知で。

チームラボの特異性は、メディアで色々言われてるけど、本質的には下記だと思う。
「本気を出せる、本気を出すことが必須な組織」
「本気を出すときに、社員が出したい方向と、会社が求める方向が近い組織」

どういうことか。
誰も言わないんだけど、社員が本気を出せる、本気を出したい会社っていうのは、実はあんまりない。
まずこのことを認識すべき。

仕事したいのに、コスト削減で残業できなかったり、No残業デーでむりやり帰らされたり。
仕事したいのに、コミット率が増えるとプロジェクトのコストが増加するから、あんまり好きなプロジェクトに稼働時間をつけられなかったり。
いろいろ試したいんだけど、社内統制等の名のもとに、活動が制限されたり。
何かしようとすると、その実行よりも、上司との調整(承認)にエネルギーを費やさなければダメだったり。

ま、会社側からすると当たり前と思われるかもしれないけど、冷静に考えれば上記の事項って、ほんとアホらしいよね。
理屈うんぬんではなく、もう、直感的にアホらしい。理論武装するまでもない。

チームラボはどうか。
上記みたいなくだらないことはまずない。と思う。というか、少なくとも以前はなかった。
もっと頑張ろうよ、本気でいいもの作ろうよ。そういうベクトル。

人って、本気出したいのに出せないと、ストレスが想像以上に蓄積されていくんだよね。
叫びたいのに叫べない、みたいな感じ。
それがない。少ない。これがチームラボの最大の特異性だと思う。

また、超厳しいノルマとか課せられて営業する、みたいな、強制的に全力を出さざるを得ない、という環境とも違う。
本気を出すことでプロジェクトに貢献し、それが世に出る。そのことで自己顕示欲が満たされ、自己表現が達成される。
自分の頑張りたい方向と、会社が求めている方向がなんとなく似ているから、やらされている全力じゃなくて、能動的な本気。
これも社員にとってはよいこと。で、これをできている会社っていうのも少ない。

と、ラボを持ち上げてみたが、敢えて落とすつもりもないんだが、なぜ他の会社はこうならないのだろう。
それは、これらのラボのやり方が、(特に短期的には)利益を高めるものではなく、利益を下げるものだから。
はっきりいえば、こんなやり方しない方が、利益は高くなる。そうすれば当然、給料も高くなる。

チープな言い方をすれば、利益と労働環境のトレードオフ。
日本の優秀な方々は結構、ラボ的なバランスを求める人が多いんです。だから成り立っている。成長しつづけている。

ただし、ラボでも個人レベルでみると、このバランスが崩れていく人もいる。そうすると優秀でも辞めていく。
例えばより多くの社員が本気で頑張れるようにするために、マネジメントレイヤーは自分の頑張りたい方向と違う、変な中間コストが高くなったり。
そうすると、会社全体はともかく、その人はバランスが崩れちゃう。まぁ、それはやむを得ないことでもあると思う。ある意味それも、新陳代謝。

と、まぁ、つれづれなるままに書いてみました。

余計なお世話かもしれんが、ラボがもっと良くなるとしたら。
新しいものを生み出す力は圧倒的なんだけども、それを生み出す過程、プロセスでもっと革新的ですごいものが作れるといいんじゃないかな。
ま、それをできる人はこの業界、圧倒的に不足していて、どこも探しているんだけど。

なお、僕自身としては、ラボでまた働きたいという思いは全くないです。ラボが嫌いな訳じゃないよ。むしろ好き。
じゃ、なんでか。抽象的なんだけど。
大事にしている項目、実現したいこと、というのは、多分大差ない。でも優先順位が異なる。そういう感じ。
そしてそれは、自分で会社をやれる人には結構クリティカルだったりする。

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